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スリランカ通信(16) 人物オーライ??往来!?All Right !!             「リッチモンド・キャッスルの住人」

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講堂


 映画のタイトルみたいだ。リッチモンド・キャッスル。王宮とかキングパレスとも呼ばれている中世の貴族の城がある。広い庭園。奥には深い森。屋敷は中世の館。実際に映画のロケにしばしば使われるらしい。数年前にはイタリアの映画チームがやってきて撮影したという。

 カルタラの町。コロンボからハイウェイバスで1時間の所。狭い、それでもバスが通っているという小路から、さらに脇道に逸れて小高い丘を登っていく。年寄りが歩くにはきつい斜面。ふうふう言ってたどり着いたところにこのお城はあった。

 邸内は広い。背後に森を抱えているこの屋敷はまさしくお城だ。今回の2番バッターはこの王宮に住むアリーさんだ。韋駄天のごとくリッチモンドの森を駆け巡り、青少年の育成を見守る姿は、俊足にして手堅い守備を誇る2番バッターに匹敵する。

――なんともすごい屋敷ですね…
A: そうですね。昔のイギリスの植民地時代のものですから古いことは古いですが、しっかりした建物です。
――あのステンドグラス(天井近くの壁にはめてある)、スリランカのものではなさそうですが。
A: ここを建てる時にわざわざスイスから取り寄せたものだそうです。船で数ヶ月かかったそうですが。
――少年の家を経営されているんですね。
A:ええ、前は50人程いたんですが、今は3人だけです。今度20人入る予定です。
――みなさん、ご両親がいらっしゃらないとかですか。
A: 貧しい家の少年たちです。6才から17才まで預かってここで勉強を教えています。
――卒業後はどうしてますか。
A: 家に帰って仕事をしたり、また勉強を続ける子もいます。医者になった子もいるんですよ。
――少年の家とおっしゃっていますが、少年だけですか。少女はいらっしゃらない?
A: この城の持ち主だったイギリス人の遺言なんです。少年だけの面倒を見る。少女はダメ。
――それはどうしてですか。
A: 実はその昔、彼の奥さんだった人が、お抱え運転手と駆け落ちしたということがあって、それ以来、女性不信に陥ったようなんですね。
――なるほど、相当ショックだったんですね。遺言にまで入れるなんて…。
  政府のバックアップはあるんですか。
A: 1956年から援助を受けています。しかし、屋敷のメンテナンスだけです。それも、ご覧いただければ分かりますが、十分ではありません。福祉の知らない人が口は出してもお金は出してくれないんです。
――そうですか。どこの国も同じですね。では、どうやって経営を維持しているんですか。
A:ここは自然に恵まれています。広大な土地がある。この施設はここでゴムやココナッツを売って収入を得ているんです。政府からはお金をもらっていない。
――そうですか。なかなか厳しいようですね。
A:ええ、そうです。しかし、私には仲間がいます。ここの財団は仲間と4人で作ったのです。将来、これを発展させて行きたいと思っています。
(インタビュー後記)
 アリーさんはお年以上に若く見える。その秘訣は楽観的な気持ちを忘れないことだという。いやなことがあってもくよくよしない。もともと最初から何もなかったから、失うものもない。ただひたすら自分の信念に基づいて福祉の仕事に専念している、とのことだ。最近は遺言に背いて少女も受け入れているらしい。素晴らしい人生だ。彼と話していると自分まで穏やかな気持ちになって、心が洗われていくようだ。アリーさんの人生に乾杯。   
 人生は出会い。人生は旅。出会いの旅はまた続く。

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Photo

上:教室、下:アリーさん

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